個人経営の居酒屋が実践したSNS・口コミ活用術で売上3倍達成!
飲食店経営、特に個人経営の居酒屋を経営されている方にとって、「売上が伸び悩む」「競合との差別化が難しい」という悩みは尽きないものです。コロナ禍を経て、経営環境はさらに厳しくなりました。しかし、そんな中でも工夫次第で売上を大きく伸ばしている店舗があります。
今回は、開店から3年目で売上が落ち込んでいた個人経営の居酒屋が、SNSと口コミを効果的に活用して売上を3倍に増やした実例をご紹介します。特別な設備投資や高額なマーケティング費用をかけずに実現した方法なので、すぐに取り入れられるヒントがきっとあるはずです。
売上低迷の原因とは?
この居酒屋(東京都内・席数30席)は、開店当初は話題性もあり順調でしたが、3年目に入ると客数が減少。特に平日の集客に苦戦し、月商は最盛期の60%程度まで落ち込んでいました。
原因を分析すると:
- 周辺に新しい競合店がオープン
- リピーター以外の新規客の獲得ができていない
- 情報発信が口コミのみに依存
- 店の存在自体の認知度が低い
売上低迷の本質
多くの飲食店が陥る「認知不足」と「新規客獲得の仕組み不足」が主な原因です。これは個人経営の飲食店に特に多い課題で、人材やマーケティング予算の制約がある中でも解決できる方法があります。
改善策:SNSと口コミの戦略的活用
1. インスタグラム運用の見直し
Before: 投稿は月1〜2回程度。料理の写真を適当に撮影して投稿するのみ。フォロワー数は100人未満。
After: 以下の改善を実施
- 毎日1回の投稿を徹底(料理・ドリンク・スタッフ・お客様の笑顔など)
- 写真の質を向上(自然光を活用し、料理を魅力的に見せる工夫)
- ハッシュタグ戦略(地域名+居酒屋、料理名、季節イベントなど関連性の高いタグを15個程度)
- ストーリーズで「今日のおすすめ」や「仕込み風景」を日々シェア
- 定期的な「フォロワー限定クーポン」の配布
結果: 6ヶ月でフォロワーが2000人に増加。インスタ経由の来店が週に10組以上に。
インスタ成功のコツ
成功のポイントは「量」と「質」のバランスです。毎日投稿する習慣をつけながらも、写真の質にこだわることで、フォロワーの増加だけでなく、実際の来店につながるアカウントに育てることができます。特に「人」の要素(スタッフやお客様)を取り入れることで、親近感が生まれ、来店のハードルが下がります。
2. Googleマップ・口コミ対策の強化
Before: Googleの店舗情報は最低限の登録のみ。口コミへの返信はほとんどなし。
After:
- Googleビジネスプロフィールの完全活用(写真20枚以上、メニュー情報の充実)
- すべての口コミに24時間以内に返信(感謝の気持ちを伝え、次回来店の期待を示す)
- 口コミ投稿のお願いカードを会計時に配布
- 「ここだけの裏メニュー」をGoogleマップでのクチコミ投稿者限定で提供
結果: Google評価が3.6→4.5に上昇。「口コミを見て来ました」という来店が月に30組以上に。
3. 既存客を活用した口コミ拡散の仕組み化
Before: 常連客に依存するのみで、特に仕組みなし。
After:
- 「友達紹介キャンペーン」の実施(紹介者・来店者双方に特典)
- LINEの公式アカウント開設と顧客データベース化
- 来店頻度に応じた顧客ランク制度の導入(ゴールド会員には特別席の確保など)
- 月に一度の「感謝祭」で常連客が友人を連れてくる機会を創出
結果: 既存客からの紹介で月に40組以上の新規客を獲得。LINEの友達登録者が1年で800人に。
紹介促進の黄金ルール
既存客からの紹介は、新規客獲得の中で最も効率の良い方法です。ポイントは「紹介する側」と「紹介される側」の両方にメリットを設計すること。さらに、紹介のハードルを下げる工夫(LINEでシェアできるクーポンなど)も重要です。
成功の鍵:継続と分析
この居酒屋の成功の最大の要因は、「とりあえずやってみる」ではなく、「効果を測定しながら継続的に改善」したことです。具体的には:
1. データ収集の徹底
- 来店客に「何を見て来店したか」を必ずヒアリング
- SNSの反応(いいね、コメント、保存)を分析して人気メニューを把握
- 曜日・時間帯別の来店パターンを記録
2. PDCAサイクルの実施
- 毎月の売上と集客経路を分析
- 効果の薄い施策はすぐに中止または改善
- 成功した施策は強化していく姿勢
3. スタッフ全員の巻き込み
- SNS運用をオーナーだけでなく、スタッフ全員の仕事に
- 写真撮影のコツをチーム内で共有
- 口コミ獲得のインセンティブをスタッフにも付与
成功の方程式
SNS・口コミ施策の成功は「継続×分析×チーム力」で決まります。一時的な盛り上がりではなく、日々の小さな積み重ねが大きな成果につながります。特にデータを見ながら改善していく習慣が、他店との差別化につながります。
具体的な成果
この取り組みにより、1年後には:
- 売上:開始前と比較して約3倍に増加
- 新規客:月の来店客数の60%が新規客に
- 営業利益:原価率の見直しも同時に行い、利益率が15%向上
- 平日の集客:かつての閑散期だった平日も80%以上の席埋めを達成
あなたの店でも実践できるポイント
1. 今すぐできること
- Googleビジネスプロフィールの情報を充実させる
- インスタグラムの投稿を週3回以上に増やす
- 既存の口コミすべてに丁寧に返信する
2. 1ヶ月以内に取り組むこと
- LINE公式アカウントの開設と既存客の登録促進
- 「友達紹介キャンペーン」の仕組みづくり
- スタッフ全員でSNS運用のルールを決める
3. 継続のコツ
- 毎日15分だけでもSNS運用の時間を確保する
- 「誰が」「いつ」担当するかを明確にする
- 小さな成功体験を積み重ねてチーム全体のモチベーションを維持
小さく始めて大きく育てる
最初から完璧を目指さず、まずは「今日から始められる小さな一歩」を踏み出すことが重要です。例えば、最初の1ヶ月は「Googleマップの情報充実と口コミ返信」だけに集中するなど、焦点を絞った取り組みから始めましょう。
まとめ
SNSと口コミの活用は、「無料だから」という理由だけでなく、「効果が高い」からこそ取り組む価値があります。特に個人経営の居酒屋のような中小規模の飲食店こそ、大手チェーンにはない「人の温かみ」や「個性」を発信できるSNSと相性が良いのです。
大切なのは継続と改善のサイクルです。最初から完璧を目指さず、できることから少しずつ始めて、その効果を測定しながら改善していくアプローチが成功への近道です。
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