「なぜあの店はいつも満席なんだろう?」
そう思いながら、びっくりドンキーの店内を見渡したことはありませんか?平日でも家族連れでにぎわい、40年以上も愛され続けるこのハンバーグチェーン。その集客力の秘密を知ることは、あなたの飲食店経営にも大きなヒントをもたらすはずです。
実は、びっくりドンキーのマーケティング戦略には、どんな飲食店でも応用できる基本原則が隠されているんです。今回は飲食店経営者の視点から、その成功理由を紐解いていきましょう。
びっくりドンキーが常に集客できる3つの理由
全国300店舗以上を展開し、幅広い年齢層から支持されるびっくりドンキー。その人気の秘密は一体どこにあるのでしょうか?
1. 絶対的な「商品力」を追求する姿勢
多くの飲食店が「もっとメニューを増やさなきゃ」と考えがちですが、びっくりドンキーのメニュー開発はまったく逆の発想です。「ハンバーグ」という一つの商品に絞り、そこに徹底的にこだわっています。
特徴的なのは、肉の配合や焼き方はもちろん、付け合わせのライスやサラダまで妥協しない姿勢。「一品入魂」という言葉がぴったりです。
写真:びっくりドンキーの看板メニュー「びっくりドンキーのハンバーグ」のアップ写真
中途半端に多くのメニューを用意するより、「これを食べるならここ」と言われる一品を持つ方が、集客においては効果的なのです。
ありがちなNG例:「お客様のニーズに応えるため」と安易にメニューを増やし続け、結果的に全体のクオリティが下がってしまう。
2. 明確な「価格戦略」とターゲット設定
びっくりドンキーの価格帯をよく見ると、絶妙なポジショニングに気づくはずです。ファミリーレストランとしては少し高め、でも本格的なハンバーグ専門店よりはリーズナブル。この「手の届く贅沢感」が、そのターゲット層である家族連れや学生グループに強く支持されています。
飲食業界データによれば、客単価設定は来店頻度に大きく影響します。びっくりドンキーの場合、平均客単価約1,200円という設定は、月に1〜2回の来店を促す絶妙な価格帯と言えるでしょう。
特に注目すべきは、「ドリンクバー」や「サイドメニュー」で客単価を上げる戦略。ハンバーグという主力商品の価格は抑えつつ、追加オーダーを促す仕組みづくりに成功しています。
3. 地域に根差した「ブランディング」戦略
全国チェーンでありながら、びっくりドンキーの店舗展開には地域密着型の特徴があります。これは「顧客満足度」を高める重要な要素です。
例えば、北海道の店舗では地元食材を使ったメニューを提供したり、店舗デザインに地域性を取り入れたりと、チェーン店でありながらも画一的ではない運営をしています。
写真:地域の特色を取り入れたびっくりドンキーの店舗外観
地域コミュニティとの関わりを大切にし、「この街の一員」として長く愛される存在になる—この戦略こそ、高いリピート率につながっているのです。
飲食店経営者が今すぐ真似できる「びっくりドンキー式」マーケティング
ここからは、びっくりドンキーのマーケティング戦略を自店に活かすための、具体的なアクションプランをご紹介します。
①「看板商品」を作り、競合差別化を図る
まずは、あなたのお店の「これだけは外せない一品」を決めましょう。経営者の視点ではなく、お客様にとって何が特別な体験になるかを考えます。
実践ステップ:
- 現在のメニューの中で最も注文数が多い商品を特定する
- その商品のクオリティをさらに高められる要素を3つ挙げる
- トップ3商品に絞ってプロモーションを強化する
北海道のあるラーメン店では、得意の醤油ラーメンに集中し、他のメニューを大幅に減らした結果、リピーター率が約20%向上した事例があります。
②顧客層に合わせた「価格設定」の見直し
びっくりドンキーのように、ターゲットとする客層を明確にし、その層が「ちょうどいい」と感じる価格帯を設定します。
価格を下げすぎると、利益率の低下だけでなく、不思議なことに「価値」も下がって見えるもの。逆に、高すぎると来店頻度が下がります。
実践ステップ:
- 主力商品の原価率を正確に計算し直す
- 競合店の価格帯を調査し、自店のポジショニングを確認する
- メインとサイドの組み合わせで、客単価アップの仕組みを作る
大阪のある居酒屋では、メイン商品の価格を約5%下げつつ、おすすめのサイドメニューを工夫した結果、客単価は逆に10%上昇した例もあります。
③SNSを活用した「地域密着型」プロモーション
びっくりドンキーのファミリー向け戦略を参考に、地域に根ざしたコミュニケーションを強化しましょう。特に今の時代、SNS活用は不可欠です。
実践ステップ:
- お店の公式SNSでは地域情報も発信する
- 地元の季節イベントや学校行事に合わせた限定メニューを提案
- 常連客の「顔」が見えるコミュニケーションを心がける
名古屋のカフェでは、インスタグラムで地域情報を定期的に発信したところ、フォロワーが3ヶ月で2倍になり、新規客が約30%増加したという事例があります。
よくある失敗例と成功へのポイント
飲食店経営では、「びっくりドンキーのようになりたい」と思っても、その本質を見誤るケースが少なくありません。
最も多い失敗は「表面的な模倣」です。メニューの見た目や価格だけを真似ても、本質的な価値提供ができなければ、長期的な集客には結びつきません。
重要なのは、自店の強みを活かした上で、びっくりドンキーの成功要素を取り入れること。何でもかんでも真似るのではなく、自店に合った要素を選んで応用するのがポイントです。
商品開発、価格戦略、接客サービス—この3つのバランスが取れてこそ、びっくりドンキーのような安定した集客が可能になるのです。
まとめ:「びっくりドンキー」から学ぶ飲食店マーケティングの本質
びっくりドンキーのマーケティング戦略から学べることは、結局のところ「本質に忠実であること」です。流行に左右されず、一貫して価値を提供し続ける姿勢が、40年以上の長きにわたる成功につながっています。
あなたの飲食店も、「何のために存在するのか」という本質に立ち返り、そこから派生する商品開発、価格設定、地域との関わり方を見直してみてください。
今日から始められるのは、自店の「絶対的な強み」を一つ見つけ、そこに徹底的にこだわること。その一歩が、びっくりドンキーのような長期的な成功への道につながるはずです。
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