お客さんが買わない理由を1つずつ排除して売上アップを実現する方法
飲食店経営において「売上が伸びない」という悩みは非常に多く聞かれます。何か新しいメニューを追加したり、広告に力を入れたりしても、なかなか思うように売上が伸びないというケースが少なくありません。
実は、売上アップのカギは「お客さんが買わない理由を1つずつ排除すること」にあります。今回は、この視点から売上をアップさせる具体的な方法をご紹介します。
お客さんが買わない理由とは?
まず、お客さんが商品やサービスを購入しない理由には、大きく分けて以下のようなものがあります:
- 価格が高すぎる(と感じる)
- 価値が伝わっていない
- 購入するリスクがある
- 決断するのが面倒
- 購入タイミングが合わない
売上アップの基本
お客さんが買わない理由を1つずつ解消していくことで、値下げや過剰な広告費をかけることなく、自然と売上アップにつながります。
理由1:「価格が高すぎる」の解消法
お客さんが「高い」と感じる場合、単に値下げするのではなく、価格の見せ方を工夫してみましょう。
具体的な対策:
- 価格の分割表示: 「一皿1,200円」ではなく「4人で割ると一人あたり300円」と表現
- 他の出費との比較: 「ランチ一回分の価格で特別な体験を」などの表現
- 期間で割った表示: 高級な食材を使った料理も「一日あたり○○円」と伝える
あるイタリアンレストランでは、高級ワインのボトルを「グラス4杯分の価格でボトル一本お楽しみいただけます」と表現したところ、ボトルワインの注文が1.5倍に増えました。
価格表示のコツ
価格を下げるのではなく、同じ価格でも見せ方を変えることで、お客様の価格に対する心理的抵抗を下げることができます。価値を分かりやすく、比較しやすく表現しましょう。
理由2:「価値が伝わっていない」の解消法
お客さんは価格ではなく「価値」で判断します。その価値をしっかり伝えることが重要です。
具体的な対策:
- 食材の物語を伝える: 地元産の野菜やこだわりの仕入れ先について説明
- 作り方の丁寧さをアピール: 手間暇かけた調理法や伝統的な技術を紹介
- 数字で見せる: 「3日間熟成」「20年の経験を持つシェフ」など具体的な数字
居酒屋の事例では、メニューに食材の生産者の写真と簡単なストーリーを添えたところ、その商品の注文率が30%アップしました。
価値伝達の秘訣
お客様は目に見える「商品」だけでなく、目に見えない「ストーリー」にもお金を払っています。食材の調達方法、シェフのこだわり、調理の手間など、目に見えない価値を「見える化」しましょう。
理由3:「購入するリスクがある」の解消法
初めてのお店や高額なコースなど、お客さんは「失敗したらどうしよう」という不安を感じています。
具体的な対策:
- 保証の提供: 「気に入らなければ別のメニューと交換します」などの安心感
- 試食やサンプルの提供: 少量のテイスティングセットなど
- レビューの活用: 実際に食べた人の感想をメニューや店内に掲示
あるラーメン店では「スープの濃さ調整無料」というシンプルな保証を始めたところ、新規客のリピート率が15%向上しました。
不安解消のポイント
お客様の「もし失敗したら…」という不安を先回りして解消することが重要です。特に初めての来店客や高額メニューには、何らかの保証や安心材料を提供しましょう。実際に保証を使う人は少なくても、その存在自体が購入を促進します。
理由4:「決断するのが面倒」の解消法
選択肢が多すぎたり、注文方法が複雑だと、お客さんは決断をあきらめてしまいます。
具体的な対策:
- おすすめセットの用意: 迷う手間を省く定番コースやセットメニュー
- 選択肢の適正化: メニュー数を絞り込み、選びやすくする
- 分かりやすい表示: カテゴリー分けや写真の活用で選びやすく
和食店の事例では、30種類あった一品料理を15種類に絞り込み、代わりにおすすめコース3種を新設したところ、客単価が12%アップしました。
選択を簡単にするコツ
メニューを増やすことは必ずしも売上増加につながりません。むしろ、お客様の「選択疲れ」を引き起こし、決断を遅らせたり諦めさせたりします。メニュー数を適切に保ち、選びやすい提案をすることで、スムーズな注文と高い客単価を実現できます。
理由5:「購入タイミングが合わない」の解消法
「今は必要ない」と思われているサービスも、タイミングの提案次第で購入につながります。
具体的な対策:
- 期間限定感の演出: 季節メニューや「今週だけ」の特別メニュー
- 予約特典の設定: 事前予約で特典を付けるなど、先の行動を促す
- 次回使えるクーポン: 次の来店につながる仕掛け
カフェレストランでは「来月のお誕生日月の方限定コース予約で乾杯ドリンクサービス」という施策を行い、予約数が前年比25%増加した例があります。
タイミング創出の工夫
「今」購入する理由を作り出すことで、お客様の行動を促進できます。期間限定や数量限定といった希少性の演出は、「今しかない」という感覚を生み出し、購入を後押しします。また、予約特典などは将来の売上を今確保する効果があります。
まとめ:1つずつ排除して売上アップへ
お客さんが買わない理由は一人一人異なります。すべての理由に対応することが理想ですが、まずは自分のお店で最も大きな「買わない理由」を特定し、そこから改善していくことをおすすめします。
お客さんの声を直接聞いたり、スタッフの観察を共有したりすることで、重要な「買わない理由」が見えてくるでしょう。それを1つずつ解消していくことで、無理な値引きや過剰な広告費をかけずとも、自然と売上アップにつながっていきます。
重要なのは、お客さんの立場になって考え、「なぜ買わないのか」という視点から改善策を見つけることです。
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